キャット・イン・ザ・ボックス:シュレディンガーの猫がトリックテイキングに!

ゲームレビュー

こんにちは、おぐしです。

突然ですが、あなたは猫動画をついつい最後まで見てしまうタイプですか?

僕なんて、ショート動画で猫が映った瞬間、止まらなくなります。

おぐし
おぐし

そんな人がほとんどだと思う!

さて今回は、猫好きかつ頭を使いたいあなたにもうってつけな、キャット・イン・ザ・ボックスを紹介しましょう。

量子力学の有名な思考実験「シュレディンガーの猫」を題材にした、前代未聞のトリックテイキングゲームです。

その上、トリックテイキング系のゲームで必要なはずの、カードにスート(色)がないという異色なメカニクス!

この記事では、キャット・イン・ザ・ボックスの魅力について、徹底解説します。

ボードゲームの概要

データベース

タイトルCATキャット INイン THE BOXボックス
発売年2022年
対象年齢13才~
プレイ人数2~5人
プレイ時間30分
ゲームの種類トリックテイキング
箱のサイズ‎11.9 x 17.9 x 4.0cm
受賞歴2022年ゴールデンギーク最優秀革新ボードゲーム賞
2022年ミープルズチョイスアワード

パッケージ・内容物

どんなボードゲーム?

『キャット・イン・ザ・ボックス(CAT IN THE BOX)』は、量子力学の「シュレディンガーの猫」をテーマにしたボードゲームです。

おぐし
おぐし

僕にとってはこれが初めてのトリックテイキングでした

研究ボードには、色と数字が記載されたマスがあります。

プレイヤーは、研究ボードの空いているマスの中から、自分の手札のカードで、色と数字が一致する場所を宣言します。

研究ボードには色がありますが、手札の猫カードには真っ黒いカードしかありません。

カードを出すタイミングで、そのカードが何色なのかをあなたが決めて出すのです!

自分でカードの色を決めると言っても、条件があります。

それは、4色×数字の組み合わせは、全カードで1枚ずつしか存在しない。

それから、「この色のカードは持っていない」と申告すれば、以降その色のカードは出せなくなるという縛りが発生します。

このゲームで、パラドックス(バースト)となる条件のひとつが、マスに置けるカードがなくなった時。

いかに、パラドックスを起こさずに多く勝利できるかが、高得点のカギです。

ひょっとすると、他のトリックテイキング系のゲームと比べると、ちょっとだけルールが複雑に感じるかもしれません。

とはいえ、3~4回やっているころには、どうすればいいか見えてきて、それと同時に面白さがきっとわかってきますよ!

キャット・イン・ザ・ボックスの魅力ポイント
  • カードはすべて黒。プレイ時に「赤の6です」と色を自分で宣言するユニークなルール
  • 色×数字の組み合わせは1枚ずつしか存在せず、宣言選択に緊張とジレンマが生じる
  • 宣言できる色がなくなると「パラドックス」が発生し、ラウンド即終了&ペナルティ
  • 予想した勝利数を的中させることで大きなボーナスを得られる予想要素
  • 斬新なメカニクスと読み合いが絡む、思考量重視の高戦略ゲーム

レビュー

おぐしの感想

キャット・イン・ザ・ボックスの醍醐味は、自分でカードの色を宣言して遊ぶところです。

このひと宣言が勝敗を大きく左右するため、常にハラハラドキドキの展開になるでしょう。

思い通りにトリックを取れたときは爽快そのもの。

一方で、相手に読み切られると一気に逆転され、「あ、やられた!」という悔しさに襲われるのがクセになりますね。

どのタイミングで色を宣言し、ほかのプレイヤーの動きをどう読んで反応するか。

その駆け引きこそ本作の最大の魅力です。

流れを読み間違えるとパラドックス(バースト)で即ラウンド終了となるため、慎重さも大胆さも求められます。

ゲームが進むほど「え、そこ出してくるの?」と相手に翻弄される場面が増え、最後まで続くヒリヒリ感がたまりません!

みんなの感想

みんなが遊んでいる様子を、ちょっとだけXのポストからのぞいてみましょう!

ルール説明

ゲームの目的

各ラウンドで、より多く勝利する、あるいは自分が何度勝利できるかを予想し、勝利数を正確に当てることが目的です。

トリック終了時に勝利数の予想が的中した場合、中央ボード上で自分のコマを連続している分だけボーナス得点を得られます。

おぐし
おぐし

予想が当たれば勝利を引き寄せます!

複数ラウンドを終え、最も総得点が高いプレイヤーの勝利です。

ワードの意味

トリックテイキングゲームで使われる、代表的な用語とその意味をまとめました。

これらを押さえておくと、ルールの理解がよりスムーズになりますよ!

スート

カードの柄や色の種類を指します。

キャット・イン・ザ・ボックスでは赤・青・黄・緑の4種類がスートです。

トランプでいうスペード・ハートなども同様にスートと呼ばれます。

トリック

プレイヤーが順番に手札から1枚ずつ場に出し、カードの強さを比較して勝敗を決める1手番(ミニゲーム)のことです。

数字の大きいカードが基本的に強く、スート(柄や色)のルールが勝敗に影響を与えます。

ラウンド

トリックを繰り返し、手札がすべてなくなるまでの一連の流れをラウンドと呼びます。

トリックとラウンド、2つの関係はこのようになります。

マストフォロー

スタートプレイヤーが出したスート(色)に合わせてカードを出すことで有利になるルールです。

異なるスートを出しても遊べますが、フォローしないカードは基本的に弱く扱われます。

パラドックス(バースト)

トリック中に出せるカードが手札にない状態を指し、その時点で負け(ペナルティ)が確定します。

キャット・イン・ザ・ボックスでは「パラドックス」、一般的には「バースト」と呼ばれています。

トリック1回の勝負(全員が1枚出して勝敗)。
スートカードの色や柄の種類。
ラウンド複数トリックの1セット(手札が尽きるまで)。
マストフォロー場のスート(色)に合わせてカードを出さなければ不利になる制約。
パラドックストリックで、条件を満たせずペナルティを受けること。
バーストと同義。

ゲームの流れ(2人ver.)

準備

研究カードは白の面を表にし、研究ボードに差し込みましょう。

研究ボードを各プレイヤーの中央に配置します。

また、6番以降は使用しませんので、6のマスに使用済みトークンを置いて隠します。

続いて、各プレイヤーに、プレイヤートークンとプレイヤーボードを配ります。

プレイヤーボードは、左下に②③とある面を使用します。

プレイヤーボードの4か所にある✖のマスに、プレイヤートークンを置きます。

実験結果シートには、自分のトークンの列に名前を記入します。

最近黒猫を見たプレイヤーに、ラウンドスタートプレイヤーカード(以降、スタPカードと表記)を渡します。

以上で、準備完了です。

本番の流れ(ラウンド)

  • STEP1
    (準備)猫カードの配布と除外

    1~5までの猫カード(25枚)をシャッフルし、裏向きのまま10枚ずつ配ります。

    プレイヤーは、配られた猫カードを確認し、その中から1枚だけ裏向きのまま手札から捨てます

    (次のSTEPへ)

  • STEP2
    (準備)その他猫カードの公開と除外

    プレイヤーに配っていない猫カード5枚のうち、2枚は裏向きのまま、残り3枚を表にして公開します。

    公開した猫カードの数字を確認したら、研究ボードの緑列の数字のマスに、プレイヤーが使っていないトークンを1個ずつ置きましょう。

    同じ数字が出た場合は、緑列黄列青列の順に置きます。

    (次のSTEPへ)

  • STEP3
    トリックフェイズ

    トリックを、手持ちの猫カードの数が残り1枚になるまで繰り返します。

    トリックの詳細な手順は、こちらにまとめました。

    (次のSTEPへ)

  • STEP4
    得点フェイズ
    パラドックスを発生させていないプレイヤー

    猫カードの山の数(=トリックで勝利した回数)だけ得点ポイントとして加算されます。

    トリックで勝利した回数が4回以下の場合

    更にボーナス得点が入ります。

    研究ボードに置いた自分のトークンで、縦横で連結している最も大きい集まりのトークンの数だけ加点されます。

    複数の集まりがあっても、連結数が多い方のみ得点になります。

    パラドックスを発生させたプレイヤー

    ザンネン。。。

    パラドックスを起こしたプレイヤーは、手に入れた猫カードの山の数だけマイナスポイントになります。

    全員の得点を確認し、実験結果シートに点数を書き込みましょう。

  • STEP5
    次のラウンドor終了
    ラウンド1終了

    スタPカードを、相手プレイヤーに渡します。

    研究ボードのトークンを手元に回収、そして、プレイヤーボードのトークンを初期状態に戻します。

    (STEP1へ戻る)

    ラウンド2終了

    ゲーム終了です。

    実験結果シートを確認し、合計得点が高かったプレイヤーの勝利

ゲームの流れ(3~5人ver.)

準備

研究カードは、白または紫の面を表にし、研究ボードに差し込みましょう。

研究カードが白か紫かは、プレイ人数により変わります。

  • 3人 ・・・ 初心者なら白、上級者なら紫
  • 4人 ・・・ 初心者なら白、上級者なら紫
  • 5人 ・・・ 紫

研究ボードを全プレイヤーの中央に配置します。

※4人プレイの場合

9番は使用しませんので、9のマスに使用済みトークンを置いて隠します。

続いて、各プレイヤーにプレイヤートークンとプレイヤーボードを配ります。

プレイヤーボードは、3人プレイの場合は左下に②③とある面を、4~5人プレイの場合は④⑤とある面を使用します。

  • 3人 ・・・ ②③の面
  • 4人 ・・・ ④⑤の面
  • 5人 ・・・ ④⑤の面

実験結果シートには、自分のトークンの列に名前を記入します。

最近黒猫を見たプレイヤーに、ラウンドスタートプレイヤーカード(以降、スタPカードと表記)を渡します。

以上で、準備完了です。

本番の流れ(ラウンド)

  • STEP1
    (準備)猫カードの配布と除外

    猫カードをシャッフルし、裏向きのまま配ります。

    使用する猫カードと配る枚数は、人数により以下になります。

    3人4人5人
    猫カード1~6
    (計30枚)
    1~8
    (計40枚)
    1~9
    (計45枚)
    配る枚数10枚10枚9枚

    プレイヤーは、配られた猫カードを確認し、その中から1枚だけ裏向きのまま手札から捨てます

    (次のSTEPへ)

  • STEP2
    (準備)今回のラウンドで勝てる回数を予想

    スタートプレイヤー(スタPカード所有者)から順に、今回のラウンドで勝てる回数を予想します。

    プレイヤーボードの中央にある数字から勝てそうな回数を予想し、トークンを置きましょう。

    3人プレイ4~5人プレイ
    1,3,4のいずれかに置く1,2,3のいずれかに置く
    おぐし
    おぐし

    後ろのプレイヤーは、先のプレイヤーの予想を見ながら判断できます

    (次のSTEPへ)

  • STEP3
    トリックフェイズ

    トリックを、手持ちの猫カードの数が残り1枚になるまで繰り返します。

    トリックの詳細な手順は、こちらにまとめました。

    (次のSTEPへ)

  • STEP4
    得点フェイズ
    パラドックスを発生させていないプレイヤー

    猫カードの山の数(=トリックで勝利した回数)だけ得点ポイントとして加算されます。

    予想した勝利数が当たった場合

    更にボーナス得点が入ります。

    研究ボードに置いた自分のトークンで、縦横で連結している最も大きい集まりのトークンの数だけ加点されます。

    複数の集まりがあっても、大きい方の集まりのみ得点になります。

    パラドックスを発生させたプレイヤー

    ザンネン。。。

    パラドックスを起こしたプレイヤーは、手に入れた猫カードの山の数だけマイナスポイントになります。

    全員の得点を確認し、実験結果シートに点数を書き込みましょう。

  • STEP5
    次のラウンドor終了
    全員がスタPカードを持ち回るまで
    ※ラウンド数=プレイヤーの人数になります。

    スタPカードを、左隣のプレイヤーに渡します。

    研究ボードのトークンを手元に回収、そして、プレイヤーボードのトークンを初期状態に戻します。

    (STEP1へ戻る)

    全員がスタートプレイヤーを経験

    ゲーム終了です。

    実験結果シートを確認し、合計得点が高かったプレイヤーの勝利

トリック

1ラウンドの中で、手札の枚数が残り1枚になるまで行われるミニゲームがトリックです。

1回目のトリックでは、スタPカードを持っているプレイヤーから始めます。

トリック2回目以降では、前回のトリックで勝利したプレイヤーから始めます。

1人目の宣言

研究ボードの空きのマスを確認したら、手札から1枚の数字(猫カード)と色を宣言します。

宣言したら、プレイヤーカードの色の辺に、猫カードを置きましょう。

赤列にトークンが1つも置かれていない場合

緑列黄列青列のうち、手持ちのカードの数字のマスが空いていれば宣言できます。

ただし、自分のプレイヤーボードで、Xなっていない色であることが条件です。

赤列以外に宣言できるマスがない場合

緑列黄列青列のどのマスも宣言できない場合には、赤列を宣言してもOKです。

おぐし
おぐし

赤は切り札のカラーだから最初からは置けない、と覚えておくといいかも

赤列にトークンがひとつでも置かれている場合

緑列黄列青列赤列全列のうち、手持ちの猫カードと同じ数字&空いているマスを宣言できます。

宣言できるマスがひとつもない場合

パラドックスの発生!


この時点で、トリックフェイズは終了します。勝利判定へ)

トリックの最初にトークンを置いた列の色が、「基準色となります。

宣言したら、時計回りに隣のプレイヤーへ手番が回り、全員が宣言するまで繰り返します。

2人目以降のプレイヤーの宣言

2人目以降の、プレイヤーの宣言方法は同じです。

研究ボードの空きのマスを確認したら、手札から1枚の数字(猫カード)と色を宣言します。

宣言したら、プレイヤーカードの色の辺に、猫カードを置きましょう。

基準色と同列のマスに置ける数字の猫カードがある場合

基準色と同列のマスで、手持ちの猫カードと同じ数字&空いているマスを宣言できます。

ただし、自分のプレイヤーボードで、Xになっていない色であることが条件です。

基準色と同列に置ける猫カードがない場合

※今後、その列には置けなくなります。

プレイヤーカードの、基準色と同じ色のトークンを取り除きます。

基準色以外の列で、手持ちの猫カードと同じ数字&空いているマスを宣言できます。

赤列のマスを宣言してもOKです。

宣言できるマスがひとつもない場合

パラドックス発生!
この時点で、トリックフェイズは終了します。(勝利判定へ)

全員が猫カードと色を宣言するまで、時計回りに隣のプレイヤーへ手番が回ります。

全プレイヤーの宣言が済んだら、勝利判定を行います。

ある色の列すべてのマスが埋まったら、全プレイヤーカードの該当する色のトークンを取り除きます。

勝利判定

パラドックスが発生していない場合

トリックで出した猫カード&色で、勝敗を決めます。

勝利判定

赤列に置いたプレイヤーがいれば、その中で最も大きい数字を出したプレイヤーの勝利。

そうでなければ、基準色(1人目のプレイヤーが宣言した色)の列で、最も大きい数字を出したプレイヤーの勝利。

勝利したプレイヤーは、全プレイヤーが出した猫カードを集め、山にして自分の近くに(裏の状態で)置いておきます。

手札の猫カードが2枚以上ある場合

トリックフェイズを繰り返します。

勝利したプレイヤーが、次のトリックの1番手になります。

(次のトリックへ)

手札の猫カードが残り1枚の場合

トリックフェイズの終了です。

得点計算を行いましょう。

2人プレイの
得点フェイズ
3~5人プレイの
得点フェイズ
パラドックスが発生した場合

パラドックスを起こしたプレイヤーは、手札のカードを公開し、パラドックスが発生したことを宣言します。

他のプレイヤーについては、猫カードを公開する必要はありません。

おぐし
おぐし

パラドックスが発生したときは勝者なしです

トリックフェイズを終了し、得点計算を行いましょう。

2人プレイの
得点フェイズ
3~5人プレイの
得点フェイズ

おわりに

賞取得の実績とデザインだけで飛びついて買った僕ですが、これは買ってよかった!

ただ、トリックテイキングは好き嫌いが分かれるとも聞きます。

まだ、トリックテイキングをやったことないのであれば、一度別のゲームで試してみた方がいいかもしれませんね。

おぐし
おぐし

初めてのトリックテイキングがこれだった僕が言うのも何ですが

それでは、ヒリヒリなボドゲライフを!

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